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Portrait of Hat Profile.11 Kiyoharu

帽子が本当に似合う人。それは格好良く年齢を重ねた大人かもしれない。 スタイルの変遷、年輪が醸し出すものが、帽子をかぶった肖像に現れる。 連載「帽子の肖像」では、2枚のポートレート写真、そして5つの共通質問に対する短い言葉から、帽子の達人たちの肖像を浮かび上がらせます。 第11回目は、ミュージシャンの清春さん。清春さんが帽子を愛する理由とは。


 

 

5 QUESTIONS TO

清春

“真似できそうで真似のできないかぶり方をしたい”

 

あなたが帽子をかぶり始めた時のことを教えてください。

デビューした頃はいわゆるビジュアル系だったので、髪の毛は立てていたし、ステージでも普段も帽子はかぶっていなかったんですよ。でも黒夢の“少年”という曲あたりかな、撮影でLAに行って[クロムハーツ]を買ったりする中で、だんだん古着とかブーツみたいな格好をするようになって。当時のスタイリストさんの影響もあるんですけど、それでだんだんハットもかぶるようになりましたね。すごく忙しかったし、髪の毛をセットしたりしなくてもいいから「超ラクじゃん」って思うようになったりして、自分の中でも定着していきました。  

 

あなたが憧れる(憧れた)帽子をかぶる人とは?

ジョニー・デップはまあハットスタイルの鉄板ですけど、子供の頃はジュリー(沢田研二)、『探偵物語』の松田優作、ショーケン(萩原健一)とか、あの70年代、80年代のテレビの中の帽子をかぶる大人に憧れましたね。ジュリーのハットのかぶり方は今見ても格好いいですよ。ミュージシャンではレッドウォリアーズのシャケさん、ザ・ウィラードのJunさん、ハノイロックスのマイケル・モンロー、モトリー・クルーのニッキー・シックス、ガンズ&ローゼズのアクセルローズとか。ハットをかぶっている人はなんか自然に見ちゃうんですよ。  

 

あなたが帽子をかぶる時に気をつけていることを教えてください。

髪の長さと、その時期にどういう服を着ているかによって帽子選びって変わりますね。髪の毛が長い時はツバが長い方が自分的にはいいかなと思っていて、服装も今はまたタイトなパンツも穿いているんですが、最近まではダボダボな格好をしていたので、それで帽子も少し変わったり。ロックスターとしてのかぶり方? それは「真似できそうで、真似できない」感じですかね。ファンの人でもハットを真似してくれている人もいるんですが、「あそこまでツバが長いのは本人じゃないと無理だな」って思って欲しいみたいな。  

 

今日かぶっている帽子について、教えてください。

これは[Reinhard Plank(レナード・プランク)]というブランドで、ここの帽子はかなりの数で持っています。イタリア人デザイナーですけど、最初はプレスの人の紹介で会って仲良くなって、彼が日本に来たら毎回一緒にメシ食ってます。ライブにも来てくれたり、彼が作ってくれた帽子をアンコールでかぶったりもするので、ファンの人も知ってくれてますね。この帽子はスベリがないから、ライブになると汗かくのもあって、こうやって下にバンダナを巻いているんです。もちろんスタイル的なところも含めてですけど。  

 

あなたの人生にとって帽子とは?

僕にとっては靴に近い存在かな。靴も好きで色々持っているけど、履かない靴って履かなくなる。スニーカーも色々買うけど、結局履くのはオールスターだったりするし、ブーツもエンジニアとかウエスタン。帽子も世の中にはいっぱいあるけど、自分が好きなゾーンの帽子っていうのがあるんですよね。あと帽子や靴はトシ食っても変えなくていいものというか、街でおじいさんが帽子かぶっている姿とかも格好いいじゃないですか。紳士アイテムであり、普遍性もあるので、おじいさんになっても格好良くしてくれるもののような気がしますよね。

撮影:清水健吾
編集:武井幸久(HIGHVISION)

   

清春 / Kiyoharu

1968年生まれ。岐阜県出身。1994年に黒夢のヴォーカリストとしてデビュー。人気絶頂の中1999年に無期限の活動休止を発表。同年にsadsを結成し、数々のヒットを生み出す。2003年にソロとしての活動を開始し、現在までに10枚のアルバムをリリースし、ツアーでも精力的に活動中。自身で立ち上げたアパレルブランド[moon age devilment]も継続中。

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