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Journeys of Craftsmanship:Vol.2ブレードハット

Journeys of CRAFTSMANSHIP:ブレードハット編

  • Journeys of CRAFTSMANSHIP

1本のブレードから生み出される、千差万別の帽子たち

I

“かぶる”の前に、“つくる”がある。
帽子が形になるまでの工程には、静かな美しさと、手の記憶が宿っている。
職人の手元と素材の音が語る、ものづくりの物語。
今回は、1本のブレード(天然草や布地などをテープ状にした素材)が渦状に編み上げられながら、ひとつの帽子となるまでの工程を追いました。

- Pick Up -

今回の舞台は、CA4LA表参道の2階に設置されたアトリエ。
CA4LAが手がける豊富な帽子の中でも、特にブランドのこだわりを詰め込みたいアイテムを、熟練の職人たちが唯一無二のセンスと技術で体現する場所です。
ショップの賑わいと地続きのその空間で、一つひとつの帽子が、職人たちの確かな手仕事によって生み出されています。

ガラス越しに見えるのは、全国屈指の帽子職人・鈴木林太郎さん。
彼の手元を追いながら、技術と想いに迫ります。

- The Making -

STEP 1 渦状に縫う

「基本的にマニュアルはないんです。『自分なりの正解』はあるんですけど」

1本のテープ状の素材、「ブレード」。
それを渦を描くように縫い重ねていくことから、今回の帽子づくりは始まる。
使うのは、職人の世界で受け継がれてきた貴重なミシン。

頭頂部を中心とした、幅の均一な美しい渦が広がっていく。
わずかなズレも許されない、繊細な作業。

「実は最も職人技術が発揮されるのは、ミシンの使い方。1つの帽子をつくる間に、何度も細かく針や設定を変えていくんです。基本的にマニュアルはないので、素材を触って、完成形をイメージしながら、自分なりの正解を探ります」(鈴木)

1本のブレードが、徐々に平面に、そして立体に。
クラウン(頭が入る部分)、つば(ブリム)まで、すべて1本のブレードから。
およそ80周でハットの原型が完成した。

STEP 2 形を整える

「見える部分だけではなく、見えない部分にも手を抜かないのがメイドインジャパン」

もちろん、縫い上げただけでは、帽子は完成しない。
木型に押し込み、スチームを当て、ブレードに少しずつ形を記憶させていく。

「若い頃は正確につくることに必死でした。今は素材の風合いなどと向き合いながら、自分にしか出せない味も追求しています」(鈴木)

つばのカットによって、ハットとしての表情をアレンジ。
さらに縁にパイピングを施し、内側にスベリを取り付ける。
見た目だけでなく、かぶり心地や耐久性に対しても手を抜かない。

「お客さまがすぐには気付かない、細かい部分にもこだわる。長く使っていただいて初めて気付くような、見えない部分も高いレベルで取り組む。そういった日本の職人らしい姿勢が、世界で信頼されるクオリティに繋がっていると思います」(鈴木)

STEP 3 パーツで装飾する

「設計図のない、終わりなき探求」

最後に、装飾パーツを取り付ける。
これもまた、1本のブレードからつくられたリボン。
ここで気付くのは、デザインスケッチなど、設計図がないこと。イメージはすべて、頭の中にあるそう。

「帽子職人なんで、絵を描くより、帽子をつくっちゃった方が早いんですよ。とはいえ『自分が職人だから絶対これが正解』という考え方もなくて。このアトリエでは、オーダーメイドでお客様と直接お話ししながらデザインを決めることも少なくありません。完成形に対する先入観を持たず、お客様がかぶったときに一番喜んでいただけるものをイメージしながらつくっています」(鈴木)

「帽子は顔に近いアイテムなので、ファッションの中でも特に大きな影響力を持つと思っています。自分がつくった帽子がお客さまに馴染んで、その方のスタイルになっているのを見るのは、帽子職人として一番嬉しい瞬間のひとつですね。もし『自分に合う帽子が見つからない』という方がいたら、ぜひ相談に来ていただきたいです」(鈴木)

たった1本のブレードからつくられる帽子は、誰かにかぶられることで完成する。それゆえに、正解のない世界。

「僕にとってブレードハットづくりは、終わりなき探究です」

CA4LA ATELIER

カシラアトリエ

“メイドインジャパンにこだわるCA4LAが、 全国4ヶ所に構えるものづくりの拠点。”

CA4LAの店舗に併設された東京・表参道と銀座のアトリエでは、 帽子のオーダーメイドやリペアを承っており、 CA4LAのものづくりへのこだわりを直接ご体感いただけます。