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CA4LA MUSIC CONNECTION vol.9
緑黄色社会

何者かになるのではなく、そのままの自分を楽しむまでの転機

 

 

アーティストたちにとって、作品を生み出す過程やその時々の活動の源泉には、必ず何かの転機が存在している。

「CA4LA MUSIC CONNECTION」は、アーティストのみなさまに、ご自身の活動のターニングポイントになったことを取材させていただく連載企画。 第9回目にご登場いただくアーティストは、緑黄色社会のみなさん。

愛知県出身で、高校の同級生と幼馴染によって2012年に結成された「リョクシャカ」。翌年に開催された10代限定ロックフェス『閃光ライオット』で準グランプリを獲得したことを契機に活動を本格化させ、2020年に発表したアルバム『SINGALONG』に収録されている“Mela!”は、日本テレビ『スッキリ』内で放送された『ダンスONEプロジェクト』の課題曲になったこともあり、ストリーミング再生数一億回突破の代表曲となりました。右肩上がりの活動にも見えますが、『閃光ライオット』以降は停滞期も経験し、ボーカルの長屋晴子さんは「私には伝えたいことがない」と悩んだ時期もあったそう。しかし、そんな時期を越え、最新作『Actor』では「それそれでいい」「そのままでいい」という力強いメッセージを発しています。バンドのこれまでの歩みと、CA4LAとコラボレーションしたバケットハットについて、メンバー4人にお伺いしました。

Text by Atsutake Kaneko
Photo by Yuri Suzuki

 
 

Interview:緑黄色社会

 

「『自分をわかってほしい』とか『自分を表現したい』というよりは、『みんなで遊ぶための道具を作る』みたいな気持ち。僕はそういう方が向いてるのかなって」(穴見)  

 

まずはそれぞれの思うメジャーデビュー以前のターニングポイントについてお伺いしたいです。
 
穴見真吾(以下、穴見) 自分の中の意識が大きく変わったのは、ファーストアルバム(『緑黄色社会』)に入っている“君が望む世界”を作ったときで、自分が作る曲がこのバンドに合うんだと思えたきっかけになりました。曲を作ったときの自分を分析してみたら、このバンドにおける自分の役目がわかった気がして、そこから曲の作り方、楽器の練習の仕方、立ち振る舞いも変わった気がします。 

 

バンドにおける自分の役目をどのように認識したのでしょうか?

 

穴見 「自分をわかってほしい」とか「自分を表現したい」というよりは、「みんなで遊ぶための道具を作る」みたいな気持ちというか、僕はそういう方が向いてるのかなって。曲を作るとなると、「自分の何かを届けなきゃ」とか思ってたけど、もっと肩の力を抜いて、自分が楽しいと思うことをすればいいんだなと思えたので、自分にとってのターニングポイントでした。  

 

 

真吾さんとpeppeさんが作曲した“Mela!”は『ダンスONEプロジェクト』の課題曲になったわけで、まさに「みんなで遊ぶための道具」になりましたよね。

 

穴見 そうですね。いまの話は間違いなく“Mela!”にも繋がってたと思います。  

 

長屋さんが思うターニングポイントはいかがでしょうか?

 

長屋晴子(以下、長屋) ファーストアルバムに入ってる“またね”から活動が変わり出した印象があって。それまでは曲作りをみんなですることが多かったんですけど、その時期からそれぞれで作るようになって、それまではみんなが聴けるような、世界観が広い曲がいいのかなと思ってたんですけど、“またね”は私にしかわからないような、むしろ狭い世界の曲で。でも結果的にはその曲が多くの人に伝わって、「こういう曲でもいいんだ」と思えて、そこからより自分を見つめて曲を書くようになりました。 

 

 

漠然と広く届けようとしてもなかなか届かなかったけど、自分を掘り下げていくことによって、聴き手と繋がることができたというか。

 

長屋 私はそもそも「歌を歌いたい」というところから始まっていて、「何かを伝えたい」という目的で音楽活動を始めたわけじゃないから、曲を作るときにすごく困っちゃったんです。「私は何を歌いたいんだろう?」って。それでわざとわかりづらい表現をしたり、ちょっと逃げてるような部分もあったんですけど、自分らしさみたいなものを素直に書くことによって、心をつかむことができるんだと思って。そういう曲の方が書きやすいというか、無理してないし、「らしいね」と言ってもらえることも増えて、そのあたりから曲作りにおいてのアイデンティティみたいなものが確立されて行ったのかなと思います。 

 


 

「『閃光ライオット2013』で一回燃焼しちゃって、そこから停滞期に突入しちゃったんです」(小林)  

 

 

壱誓さんにとってのターニングポイントはいかがでしょうか?

 

小林壱誓(以下、小林) 高校3年生のときに出た『閃光ライオット2013』が最初のターニングポイントだったと思います。一万組以上の応募の中から準グランプリを獲得して、いまの環境で音楽をやるきっかけになったので、かなり大きなターニングポイントでした。ただ、そこから停滞期に突入しちゃったんです。というのは、『閃光ライオット2013』で目的を果たしてしまったんですよね。もともと僕らの高校の2個上の先輩が『閃光ライオット2011』に出ていて、それを見て僕らも『閃光ライオット』に出ることが目標になって、そこで準グランプリを獲ることができたので、一回燃焼しちゃって。そこから何をやっていいのかわからなくなっちゃったんです。  

 

それで停滞期が訪れたと。でも、それこそ真吾さんや長屋さんが話してくれたようなそれぞれのターニングポイントを経て、またバンドが復活していったわけですよね。では、peppeさんが思うターニングポイントはいかがでしょうか?

 

peppe 個人的なターニングポイントの話になっちゃうんですけど、やっぱり人生の中で予想外のことが起きたときがターニングポイントになってると思うんです。それで言うとまずひとつ目が、メンバーと出会って、バンドに誘われたことが何よりターニングポイントだったなって。私もともとピアノはやってたんですけど、バンドのことは丸っきり知らなかったので、本当にゼロからイチになった瞬間でした。もうひとつが、自分が曲を作るようになったこと。まさか自分が曲を作るなんて思ってなかったし、曲を届けたいという願望もなかったんです。でも曲を書くようになるタイミングがあって、そこから作り続けて、“Mela!”に繋がっていって……それは全く思ってもみなかったことでした。 

 


 

「まずはこの4人が意識を共有しないと、他の人にも伝わらないよねって」(peppe)  

 

すでに曲名が出ているように、“Mela!”は間違いなくリョクシャカにとってのターニングポイントの一曲だったと思いますが、その背景には「自分たちが作りたいものを作る」という前提の上で、「より多くの人に届ける」ための試行錯誤があったのではないかと思います。その点でのバンドの意識の変化について教えてください。

 

穴見 どういう曲を作りたいかじゃなくて、自分をひとりのリスナーと考えて、どんなときにどういう曲を聴きたいかっていう考え方に変わりました。人・場所・時間を考えながら曲を作る。メジャーデビューくらいからよりそういう意識が出てきた気がします。ファッションで気分が変わるように、聴く音楽でも気分が変わるじゃないですか? そういう部分を支えるような存在になれたらなって。 

 

長屋 メジャーデビューをする前くらいから、引き算をするようになったんです。それまでは自分たちがしたいことを一曲に全部詰め込んでたから、聴きどころがいまいちわからなくなってた。そこからもっと聴き手のことを考えて、テーマをはっきりさせて、ちゃんと聴きどころを作るようにして。そうやって曲のテーマがわかりやすくなったことで、4人の共通認識も持ちやすくなったんですよね。それまでは一曲の中に何個かテーマがあって、曲を作った人はわかるけど、メンバー同士でも共有できてなかったりして、捉え方が違うから、入れるフレーズや音色にもばらつきがあって。でもテーマがわかりやすくなって、「この曲はどういう曲?」と聞かれたときに、みんなから同じ言葉が出るようになった。だからこそ、引き算もしやすくなったのかなって。 

 

peppe まずはこの4人が意識を共有しないと、他の人にも伝わらないよねって。 

 

 

小林 最初の頃は音楽的な素養もないのに、「他の人と違うことをやりたい」という気持ちばかりがあって、常軌を逸したことをやって、「新しいものを作ってる」と勘違いしていたというか。まあ、それはそれで素晴らしいことだとも思うけど、結局音楽的な素養がもともとない人間がシンプルに曲を作ったら、そりゃ勝手に変なものができるわけで、わざわざ変なものを作ろうとしなくてもよかったんだなって。そうやって俯瞰で見れるようになったのは大きかったと思います。 

 

穴見 意固地じゃなくなったのは大きい。そこが一番変わったところかもしれないね。 

 

 


 

「もともと4人で曲を作ってたんですけど、それから一回みんな旅に出たんですよね。それぞれで曲を作って、その経験を経て、“Mela!”ができた」(長屋)  

 

“Mela!”は作詞が長屋さんと壱誓さん、作曲が真吾さんとpeppeさんと、4人で作り上げた楽曲でした。そのことはバンドにとってどんな意味があったと思いますか?

 

穴見 円形のグラフが交わる部分は色が濃いじゃないですか? そういうことです(笑)。  

 

長屋 もともとバンドが始まったときはスタジオでせーので鳴らして、4人で曲を作ってたんですけど、それから一回みんな旅に出たんですよね。それぞれで曲を作って、その経験を経て、“Mela!”ができたというか。だからこそ、いま真吾が言ったみたいに、重なる部分がすごく色濃いものになったのかなって。なので、これからもまた旅に出て、またくっついてっていうことを繰り返していくバンドなんだろうなって。  

 

4人で曲を作るということは、一人ひとりの長所を再確認することにもなったと思うんですね。歌詞で言うと、壱誓さんがプロットを作って、長屋さんが実際の歌詞にしていったそうですが、それもそれぞれの長所を再確認する作業になったのかなって。

 

小林 自分ひとりで歌詞を書くときはプロットは書かないんですよ。2人で歌詞を書く上で、分業するってなったときにそうやるしかなかっただけで、僕がプロットを書くのに向いてるわけじゃなく、単純に役割分担をしたっていう感じではあって。  

 

長屋 でも壱誓は頭の中で物語を作るのがすごく上手いから、壱誓だけで書く歌詞もすごく物語性があって、世界観が広いんです。私は逆に「1」を探求していくタイプなので、得意な部分が真逆で、私から見ると壱誓はプロット作りにすごく向いてるなって。  

 

自分で自分のことはなかなかわからなかったりするから、一緒に作ることによって、他者を通じて自分を再発見することにもなったでしょうね。作曲チームのお二人はいかがでしたか?

 

 

peppe 歌詞は同じ場所では作らないと思うんですけど、作曲は同じ時間に同じ場所で作り上げるんです。  

 

穴見 ひとりで作ると、できたものをデータで送って、その反応が返ってくるまでの時間があるわけですけど、2人で作るとその反応がすぐに返ってきて、しかもそれを何回もやりとりするわけだから、速いし楽しいし、すごくいいんですよね。  

 

peppe 持ってるものはバラバラで、ホントに補い合いながらやってます。  

 

穴見 peppeはフィーリング重視なんだけど、すごく鋭い感性を持っているので、「peppeがやりたいことを僕が広げる」みたいなのが一番やりやすくて。peppeが顔を作って、僕が体全体を作る感じなんです。  

 

peppeさんが感覚派なら、真吾さんは理論派で、考えて構築するタイプ?

 

穴見 そうですね。最初の1ピースさえあればパズルを組み立てることはできるんです。でもその1ピースを生み出す感性は、peppeの方が持ってるなって思うんですよね。  

 

そこも共作をしたことによって気付けた長所かもしれないですね。

 

peppe はい、やっと気づけました(笑)。 

 


 

「それぞれが『国民的な存在になりたい』というマインドをなぜか持っていて、“Mela!”によって、『国民的』というところへの切符を手に入れることができた」(peppe)  

 

“Mela!”はリリース後に『ダンスONEプロジェクト』の課題曲に選ばれたことも手伝って、リョクシャカにとってこれまでで最大のヒット曲になりました。その成功体験は現在のバンドにとってどんな意味を持っていると言えますか?

 

長屋 “Mela!”を作り始めたときは、何となく全員で作り始めて、もちろんいい曲にしたいとは思ってたんですけど、狙ってバズらせようとしたわけじゃなく、「ひさしぶりに4人で作ってみる?」くらいの感じだったんです。でもそうやってできた曲が自分たちの想像以上に広がって、4人だからこそできることを再確認できて、初心に戻れたし、それぞれの自信にも繋がったと思います。  

 

壱誓さんは子供の頃にダンスをやっていたそうで、『ダンスONEプロジェクト』と関われた意味はより大きいですよね。

 

小林 すごい巡り合わせだなって勝手に思ってるんですけど、青春に寄り添うというか、僕らは常にそういうバンドでありたいと思っていて、『ダンスONEプロジェクト』には母校も参加してくれたし、すごく嬉しかったですね。 

 

真吾さんにとっては、「遊び道具になってほしい」という想いが現実になった曲とも言えますね。

 

穴見 『ダンスONEプロジェクト』で嬉しかったのは、10代の子に聴いてもらえたことで。自分が一番音楽に救われたというか、音楽から恩恵を受けた時期は10代だったから、その世代に聴いてほしいと思って作ってる部分は結構あったので、すごく嬉しくて。10代のときに聴いた曲って、その人にとって一生大事なものになると思うんです。  

 

 

“Mela!”で踊った子たちにとっては、本当に一生ものでしょうね。peppeさんはいかがですか?  

 

peppe バンドで会議をしたわけでもないのに、それぞれが「国民的な存在になりたい」というマインドをなぜか持っていて、“Mela!”によって、「国民的」というところへの切符を手に入れることができたというか。ここからどうなっていくかは私たち次第だけど、それがあるのとないのは大違いで、「国民的」が少し見えたことは嬉しかったですね。 

 

話し合ったわけじゃないけど、メンバーそれぞれが「国民的な存在」というのを目標としていたんですね。  

 

小林 逆に言うと、バンドとしての明確な目標はなかったんですよ。 

 

穴見 明確な目標があると、それを達成したときに終わってしまう。それを『閃光ライオット2013』のときに感じたからだと思うんです。 

 

長屋 確かに、「武道館に立つ」とかも達成したら終わっちゃうけど、「国民的」にはゴールがあるわけじゃなくて、ずっと続くものだもんね。そっか、いまわかったな。  

 


 

「“Mela!”は感覚派の4人で、“キャラクター”は計画的な4人。これからはどっちもできるわけで、短いスパンでこのふたつを経験できたことはこの先に繋がる気がする」(長屋)

 

 

「国民的」への切符をゲットして、そこからの最初の一歩が新作の『Actor』と言っていいのかなと思います。この中では“キャラクター”が“Mela!”同様に4人での共作になっていますが、今回の方がスムーズだったか、それとも苦労したのか、そのあたりはいかがでしたか?

 

長屋 作詞は結構大変でした。まず“Mela!”のプレッシャーがあって、よりいいものにしたいし、「“Mela!”の人」にはなりたくなかったし。あと、“Mela!”はテーマが明確で、「ヒーロー」というわかりやすい単語があったけど、じゃあ今回のテーマはどうするのかっていう、そこから詰まっちゃって。で、今回『Actor』というタイトルが先に決まったので、そこからテーマを広げて、進み始めたんですけど、壱誓がプロットを書いて、私が作詞して、もう一回壱誓が作詞をしているので、段階が前よりも増えていて。 

 

『Actor』というタイトルは、今回タイアップ曲が多くて、いろんなタイプの曲が入ったアルバムになったことを「役者」にたとえているわけですよね。そして、“キャラクター”はそのテーマ性をより明確にするための曲だと。

 

長屋 「いろんなキャラクターがいてもいいんだよ」っていうテーマが見えて、ちょっとずつ動き出しはしたけど、このテーマで無責任な言葉は言えないと思ったんです。あとは、リズムがはっきりしていたので、伝えたいメッセージと使える単語がマッチしなくて、そこが難しかった。まあ、考え過ぎちゃう部分もあったかもしれないですね。前は「何となくやってみよう」っていうところから始まってたから、そこは大きく違ったなって。 

 

 

作曲チームはどうでしたか?

 

peppe やっぱりプレッシャーはあったんですけど、「まずは私たちが楽しんで作らなきゃ」と言い合って、作曲のプロセス自体は“Mela!”のときと一緒でした。 

 

穴見 “Mela!”は「リリースがあるからこういう曲を作ろう」というのでもなく作った曲だったんです。「時間が空いたから、スタジオ入って何かやる?」くらいのノリだったから、そのくらいの感じの方がいいんだろうなって。 

 

“Mela!”は瞬発力のパワーが閉じ込められていて、“キャラクター”は頭をひねったからこその完成度がある。特に歌詞においてはそうかもしれないですね。

 

長屋 どっちもできてよかったなって。“Mela!”は感覚派の4人で、“キャラクター”は計画的な4人。これからはどっちもできるわけで、短いスパンでこのふたつを経験できたことはこの先に繋がる気がします。 

 


 

「きっと同じように悩んでる人が世界中にたくさんいて、そこに共感してくれると思うから、俺たちも音楽を続けていいんだっていう、そういうマインドになりました」(小林)

 

 

話を聞いていると、名は体を表すじゃないけど、やっぱりバンドであると同時に「社会」だなあという印象を受けます。まず個人があって、それぞれが影響を与え合いながら、集まったときには強い力を発揮して、でもまたひとりになったり、少しずつ関係性を変えながら進んでいく。それってまさに「社会」だなって。

 

長屋 最近どんどん社会化してきたよね。 

 

peppe そう言われることが多くなって……あんまり自覚はしてないんですけど(笑)。 

 

『Actor』や“キャラクター”の「それぞれでいいんだ」というメッセージも、バンド自体が体現しているというか。長屋さんはもともと「何かを伝えたい」という目的で音楽を始めたわけじゃないという話がありましたけど、いまはこの4人でいること自体がメッセージを発しているように思います。

 

長屋 バンドを始めた頃って、自分に伝えたいことがないから、「これで音楽やっていいのかな?」って、すごく思ってたんです。周りのミュージシャンは信念みたいなものを持ってやってるけど、私たちの信念は「楽しい」しかなかったから、それを薄っぺらいと思っちゃって。でもいま思うと、むしろ「そこでしょ!」と思う。そうやってマインドが変わってきたからこそ、4人が伸び伸び活動できるようになったと思っていて、変に「自分たちらしさ」を作り上げようとしてない良さがある。自由奔放であることがより個々を強くしていて、それがすごくいいなって。

 

他のアーティストにはそのアーティストなりのキャラクターがあって、リョクシャカにはリョクシャカというキャラクターがある。そのリョクシャカというキャラクターに関しては、どのバンドにも負けてないっていうことですよね。そう思うのは決して簡単なことではないけど、やっぱりすごく重要なことで。

 

長屋 そうですよね。だから、比べちゃってたんだと思います。自分たちになろうとするんじゃなくて、何者かになろうとしちゃってたなって。

 

小林 薄っぺらい悩みだとも思うんだけど、でもきっと同じように悩んでる人が世界中にたくさんいて、そこに共感してくれると思うから、俺たちも音楽を続けていいんだっていう、そういうマインドになりました。 

 

聴き手に対して「自分でいいんだ」というメッセージを伝える作品を持って、3月20日から全国ツアーがスタートします。そこに向けた意気込みを聞かせてください。

 

長屋 それぞれ全然違うキャラクターの曲たちを演じ切ることによって、『Actor』の持っている「それぞれでいいんだよ」「そのままでいいんだよ」というメッセージを楽しみながら伝えられたらなって。難しいけど、目標としては頭をからっぽにしてライブができたらなと思っています。

 

 

「ライブに着ていく服でも気分が変わるし、友達とか、好きな人とか、家族とか、会う人によっても服が変わるわけで、音楽もそのときの気分に合わせて聴いてくれたら」(穴見)

 

では最後に、帽子についての話を聞かせてください。

 

長屋 私はめっちゃ帽子が好きで、顔がすごいシンプルだから、帽子を被ることでボリュームが出るんですよ。あと、顔がシンプルだからこそ、わりとどんな帽子でもいけるなと気づいて、かぶることで服のテンション感も変えられるし、同じ服でも違う見え方になったり、気軽に自分を変えられるアイテムだなって。あとは、安心するんですよね。頭にものがあるとすごく安心して、帽子なしで外に出るのが恥ずかしいときもあったりして。

 

穴見 長屋は帽子もマスクもずっと前からしてるもんね。 

 

長屋 私コロナ前からずっとマスクをしてたタイプで、だから帽子もオシャレであると同時に、安心材料でもあるんです。 

 

peppe 私のCA4LAデビューは長屋からのプレゼントでした。それがきっかけで帽子いいなと思って、京都に行ったときに急に帽子がかぶりたくなって、CA4LAを探して買った思い出があります。 

 

 

小林 急にかぶりたくなるときあるよね。僕は東京に来て初めてファンの子に声をかけられたのがCA4LAで、すごく嬉しかったです(笑)。長屋は顔がシンプルって言ってたけど、僕はでこがジョイフルなんで、かぶらないとかわいそうな感じになるんで。 

 

でこがジョイフル(笑)。

 

穴見 僕もラフなときは基本かぶります。バケハとかハンチングとか。セットをしなくてもいいし、めっちゃ便利ですよね。 

 

今回のコラボレーションでは、2種類のバケットハットを作りました。

 

長屋 バケハはいま流行りでもあるし、誰でもかぶりやすいというか、人を選ばないんじゃないかなって。で、どうせなら形を変えようということで、つばが広いのと深めのやつと、シンプルめなのと遊び心があるのを作って、選んでもらえるようにしようって。 

 

peppe お話をいただいたときから、総柄は絶対作りたいと言ってて。 

 

小林 CA4LAさんの既存の製品を見させてもらって、「これとこれをこうしよう」みたいな、いいところを集めていった感じですね。 

 

総柄は楽器プラスメンバーの好きなものがプリントされてるんですよね。

 

 

長屋 真吾はけん玉、ゲーム、ベース、私はマイク、イチゴ、ボーダーコリー、壱誓は蛇、亀、ギター、peppeがモンステラ、本、キーボード。全然統一感はないけど(笑)、オリジナリティがあって、ファンの方が喜ぶアイテムにしたくて。それに、リョクシャカを知らない人が見たら、「なんでけん玉?」みたいな、突っ込みどころがあるのもいいなって。 

 

穴見 フェスとかにもすごくいいですよね。 

 

長屋 黒いバケハの方は、わかりやすくロゴを入れるとかじゃない形で「らしさ」を入れたかったので、緑黄色のビタミンカラーを使って、誰でも手に取りやすいものになったんじゃないかなって。タグはCA4LAさんの製品を見せてもらったときに、「これやりたいです」とお願いしました。取り外しもできていいなって。 

 

小林 名前と担当楽器の頭文字を取って、ひとりずつと「U=あなた」が掛け合わさって、緑黄色社会ですよっていう。あとは、結成日も書いてあります。こっちもすごくいいです。頭が小っちゃく見えるので、ありがたい。 

 

途中で「音楽もファッションも気分を変えてくれるもの」という話があったように、やはりファッションの要素もリョクシャカにとっては欠かせない?

 

穴見 そうですね。ライブに着ていく服でも気分が変わると思うし、友達とか、好きな人とか、家族とか、会う人によっても服が変わるわけで、音楽もそのときの気分に合わせて聴いてくれたらなって。なので、どっちもすごく大切なものですね。 

 


 

 

緑黄色社会

愛知県出身4人組バンド。愛称は”リョクシャカ”。

高校の同級生(長屋晴子・小林壱誓・peppe)と、小林の幼馴染・穴見真吾によって2012年結成。

2013年、10代のアーティストのみによるロックフェス『閃光ライオット』準優勝を皮切りに活動を本格化。
2018年、1stアルバム「緑黄色社会」をリリース。以降、映画・ドラマ・アニメなどの主題歌を多数務めるなど躍進。
2020年、アルバム「SINGALONG」は各ランキングで1位を獲得。リード曲「Mela!」は、ストリーミング再生数が1億回を突破する代表曲に。

2021年2月に3rdシングル「結証」、3月に配信シングル「たとえたとえ」、6月に配信シングル「ずっとずっとずっと」と話題曲を立て続けにリリース。8月25日、テレビ朝日系 木曜ドラマ『緊急取調室』主題歌「LITMUS」、映画『都会のトム&ソーヤ』主題歌「アーユーレディー」、『SEA BREEZE』CMソング「これからのこと、それからのこと」を収録した4thシングル「LITMUS」をリリース。

長屋晴子の透明かつ力強い歌声と、個性・ルーツの異なるメンバー全員が作曲に携わることにより生まれる楽曲のカラーバリエーション、ポップセンスにより、同世代の支持を多く集める。  

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緑黄色社会 全国ホールツアー

「Actor tour 2022」

<2022年>

3/20(日) 群馬・ベイシア文化ホール
3/21(月・祝) 宮城・仙台サンプラザホール
3/25(金) 北海道・旭川市民文化会館 大ホール
3/27(日) 北海道・札幌文化芸術劇場 hitaru
4/1(金) 広島・アステールプラザ 大ホール
4/3(日) 岡山・岡山市民会館
4/9(土) 愛知・センチュリーホール
4/10(日) 東京・昭和女子大学 人見記念講堂
4/16(土) 神奈川・神奈川県民ホール
4/17(日) 埼玉・三郷市文化会館
4/22(金) 岐阜・長良川国際会議場
4/24(日) 福島・けんしん郡山文化センター 中ホール
5/1(日) 福岡・福岡サンパレスホール
5/3(火・祝) 鹿児島・川商ホール 第2ホール
5/7(土) 大阪・フェスティバルホール
5/8(日) 大阪・フェスティバルホール
5/15(日) 石川・本多の森ホール
5/28(土) 新潟・新潟テルサ
6/4(土) 愛媛・松山市総合コミュニティセンター・キャメリアホール
6/6(月) 香川・レクザムホール 小ホール

チケット料金:全席指定 / 5500円(税込) ※3歳未満入場不可
チケット一般発売:3月5日(土)10:00~
一般発売プレイガイド:ぴあ、ローソンチケット、イープラス、他。