CA4LA CA4LA MEMBERS CA4LA MEMBERS CA4LA 25th ANNIVERSARY CA4LA 25th ANNIVERSARY 検索 マイアカウント マイアカウント アカウントアイコン カート スナップ ログイン お気に入り お気に入り お気に入り お気に入り マップ マップ マップ マップ 矢印 矢印 TEL TEL //*---- ▼ ここからSNS ----*// Facebook Facebook Google + はてぶ Instagram LINE LINE Pinterest Pinterest Tumblr Twitter X YouTube YouTube WEAR

CA4LA MUSIC CONNECTION vol.5
ビッケブランカ

転機はまだこの先に。ただひたすら自分を理解するための歩み。


 

アーティストたちにとって、作品を生み出す過程やその時々の活動の源泉には、必ず何かの転機が存在している。

 

「CA4LA MUSIC CONNECTION」は、アーティストのみなさまに、ご自身の活動のターニングポイントになったことを取材させていただく連載企画。

第5回目にご登場いただくアーティストは、ビッケブランカさん。

2016年にミニアルバム『Slave of Love』でメジャーデビューを果たしたビッケブランカさん。エルトン・ジョンやミーカに通じる華やかな英国ポップと、日本人なら誰しもがグッと来るJ-POPのセンスを併せ持ち、ドラマ主題歌「まっしろ」や、SpotifyのCMソング「Ca Va?」のヒットによって、独自のポジションを確立していきました。近年ではアニメのタイアップによって海外からのリスナーも増える中、世界基準のダンスミュージックを作る新名義Vistäを構想するなど、次なる展開に向けた準備も着々と進行中。「ビッケブランカ」を名乗るようになった経緯、世界を意識する理由に加えて、ツアーグッズとして制作されたCA4LAとのコラボによるバケットハットについても語っていただきました。

Text by Atsutake Kaneko
Photo by Yuri Suzuki

 


 

Interview:ビッケブランカ

 

 

「別人格を作って、曲作りのことだけを考える山池純矢と、ライブのことだけを考えるビッケブランカと、2つに分けることにしたんです」 

 

 

ビッケさんはインディーズデビューから2年でメジャーデビューをしていますし、その後もタイアップやフェスへの出演などを経て、順調にリスナーやライブの動員を増やしていった印象があります。とはいえ、その過程では壁に当たることもあったのではないかと思うのですが、これまでに転機と言えるタイミングはありましたか?

 

ビッケ それがまだないんですよね。これまで「やりたいこととやるべきことをきっちり高クオリティで」という心意気で制作を続けてきて、チームのみなさんともベクトルが合致して、グーッと上がってきているので、その途中に難はなかったです。来るとしたら、もうそろそろかなって、今準備をしてる感じですね。

 

2020年は特殊な年になりましたが、少なくともそれ以前までは明確な転機はなかったと。もちろん小さな壁はいくつもあったと思いますが。

 

ビッケ まだそれがなくてもいい時期だと思ってました。「この段階で転機を迎えてるようじゃ」みたいな感覚というか、これくらいの難は当たり前にあって、当たり前にみんな乗り越えて行くものだ、みたいな。で、きっちり乗り越えてきた結果、ちゃんと階段を上がってるという印象を持ってもらえてるんだろうと思いましたね。

 

では、さらに遡ってお伺いすると、ビッケさんはもともと本名の山池純矢名義で活動をしていて、後にビッケブランカを名乗るようになったんですよね。過去のインタビューを読むと、「ビッケブランカと本名の自分は別の存在」ということもおっしゃられていますが、どんなきっかけでビッケブランカとして活動するようになったのでしょうか?

 

 

ビッケ 昔はライブが全然好きじゃなくて、年に3回くらいしかやってなかったんですけど、それは音源の方が絶対いいと思ってたからなんです。なので、「ライブをするんじゃなくて、音源を爆音で流したい」みたいな考え方だったんです(笑)。でもライブもやっていかなきゃいけないんだろうなと感じてたし、「ライブでしかできないこと」にこの先気付いていくんだろうなと思うと、曲作りをする山池純矢にそれも全部押しつけたらグチャグチャになると思って。なので、別人格を作って、曲作りのことだけを考える山池純矢と、ライブのことだけを考えるビッケブランカと、2つに分けることにしたんです。

 

ビッケブランカを名乗るようになって、実際にライブに対する考え方が大きく変わったタイミングはありましたか?

 

ビッケブランカ インディーズデビューをして、地元の愛知県のラジオ局が「ファビュラス」をすごくかけてくれたんですよ。で、名古屋のell fits all、300人くらいのキャパでワンマンをやったときに、300人の方たちがみんな曲を知ってくれてて、一緒に歌ってくれるという状況を初めて経験したんです。それまでは僕の曲なんて誰も知らないから、発表会みたいなライブだったんですけど、待ちわびてもらってる感覚をそこで初めて知って、「なるほど、こりゃあ音源を超えるよね」って。音源を何回も聴いてくれてる人たちが、生歌でそれを聴きたいと思って来てくれる。これがライブねって、完全に理解したのがそのときでした。

 

そこからライブをする喜びを感じるようになったと。

 

ビッケ グイグイっすよ。楽しくてしょうがない。そこはガラッと変わりましたね。「ライブ好きだー!」ってなった(笑)。

 

 

 

 

「はじめからこっちが決めちゃうと、予定調和の『よくできました』でしかないから、それだとつまらない。ライブ中に新しい発見があるのも楽しいです」

 

 

ライブよりも曲作りにウェイトを置いていた初期から、徐々にライブが楽しくなっていって、そのバランスはどうなっていきましたか?

 

ビッケ そこでライブを想定して曲を作り始めちゃうと、グチャグチャになるんですよ。人格を分けた意味がなくなっちゃう。なので、山池純矢はライブのことは一切想像しないで、目の前で鳴ってる音だけに向き合うというスタンスで曲を作ってたんです。で、それに対してビッケブランカが、「こんな曲をライブで再現するのは無理だから、どう面白くしようかな?」と考える。そういうパスの出し合いだったんです。

 

なるほど。

 

ビッケ でもライブが楽しくなり過ぎちゃって、二重人格とはいえ、言うても同一人物ですから、曲を作ってるときにライブの絵が浮かんで、影響を与えるようになってきちゃったんですよ。曲だけに向き合いたいのに、「ライブで手拍子しやすくするために、ここはわかりやすくした方が……そういうことじゃない! うわー!」みたいな(笑)。

 

あはは。

 

ビッケ で、その解決方法としては……それを受け入れるっていう。ライブが楽しすぎるから、これはもうしょうがない。1回分けて、ライブを好きになって、今度は融合が始まってる感じです。ただ、そこのハードルはすごく高くて、「一応テーブルには上げてやる」みたいな感じ。だから、結局未だに自分の中のライブ側の曲作りの意見は取り入れたことないです。目を向けることはできるようになっただけ。

 

2019年にリリースした『Devil』の収録曲で言うと、「Ca Va?」や「Shekebon!」はライブで盛り上がる曲ですよね。

 

ビッケ 「Shekebon!」には曲中に「オー!」みたいなのありますけど、あれも別にライブを考えて入れたわけじゃなくて、あくまで曲作りの中で生まれたもので。ただ、そもそもの曲作りが変化してきてる感じはあって、それはそれで面白い変化だなと思います。

 

あくまで曲そのものに向き合って作って、それをライブでやったときにお客さんとの間で化学反応が生まれることもありますよね。

 

ビッケ そうそう。「ここ歌ってくる? じゃあ、俺こっち行くけど」みたいな、そういう新しい発見がライブ中にあるのも楽しいです。はじめからこっちが決めちゃうと、予定調和の「よくできました」でしかないから、それだとつまらないので、決めないようにっていうスタンスですね。

 

 

 

 

 

「自分は何が好きで、何ができるのか、長い時間をかけて紐解いていってるだけで……だから、僕には見据えるものがないんでしょうね」

 

 

 

ちなみに、『Devil』のラストに収録されていた「Avalanche」は、デビュー前の宙ぶらりんだった頃の自分を思い出して書かれた曲とのことですが、その頃と、ビッケブランカを名乗るようになったタイミングは近いんですか?

 

ビッケ いや、「Avalanche」はビッケブランカを名乗るより全然前の話です。コインランドリーで洗濯して、乾燥が終わるまでの間に屋上から街の景色を見ながら、「いつまでこんなことやってるんだろう?」と思ってた時期。全然お金なくて、その日暮らしで、でも不思議と諦めるマインドにはならなくて、「就職しようかな」ともならない。サラリーマンがいない家系なので、自分もそうはならないと思い込んでいて、でもどうしたらいいのかはわからない。そういう時期の自分を振り返って作りました。

 

 

「Avalanche」の〈最低の人間として 最善の手本として〉という歌詞と、ビッケブランカの名前の由来である「下っ端の海賊が一生懸命頑張って、いずれ船長になれたら」という考え方がリンクするなと思って、近い時期の話なのかなと思ったんですよね。

 

ビッケ なるほど。そこにリンクを見つけるのはだいぶ感受性豊かですね。僕はそれ想定してなかったので。まあ、別人格の名前を考えたときに、野蛮な存在の名前をつけてる時点で、もともとそういうマインドを持ってるってことなんでしょうね。『Devil』にしてもそうですけど、どうしようもない悪だったりが、頑張ったり、変化したり、そういうことに無意識に目を向けちゃう性格なんだと思います。だから、最近の歌詞とも自然とリンクしたのかなって。

 

常に自分の中にある考え方、哲学のようなものというか。

 

ビッケ 結局そうやって自分は何が好きで、何ができるのか、長い時間をかけて紐解いていってるだけで……だから、僕には見据えるものがないんでしょうね。何かを見据えて生きて、でもその中で転機があって、この道がこっちに逸れた、みたいなことはなくて、ただ自分を理解するために歩いてるだけなんです。自分への理解が深まっていけば、勝手に歩みも進んでいくから、何かを見据えなくても、いずれどこかに辿り着くだろうっていう、そういう考え方ですね。

 

 

 

 

 

「僕はもともと海外が好き過ぎるんです。『日本は狭すぎる』みたいなことをずっと思ってる人間なんですよ。ただ、自分探しの旅をしたいわけじゃなくて、そこで勝負事をしたい」

 

 

もしビッケさんに転機が訪れるとしたら、自分にとっての未知の世界、外の世界に触れたときだと思うんですけど、ビッケさんは日本語のポップスを追求するビッケブランカとは別に、英語詞で世界基準のダンスミュージックを作るVistäという別名義での活動を考えているとおっしゃっていて、その活動が本格化したら、もしかしたら転機が訪れるかもしれないと思ったりもして。Vistäに関しては、現状どのような状態なのでしょうか?

 

ビッケ オランダやパリのクラブで自分の曲を回すプランがあって、そのために日本で何回か練習したかったんですけど、去年はそれもできなくなったので、一旦保留にしていて。でも、ほったらかしにするのはつまらないから、LAMP IN TERRENの松本大とやった曲(「Little Summer」)、岡崎体育とやった曲(「化かしHOUR NIGHT」)は自分でトラックを作って、LAでミックスしていて。言語は日本語だけど、サウンドはこの先のために経験を積む意味でも、世界標準の作り方をした感じです。だから、準備期間が延びちゃいましたけど、火は絶えてないですね。

 

 

海外展開は音楽活動を始めた当初から考えていたのか、ビッケブランカとして活動していく中でその思いが強くなっていったのか、どちらなのでしょうか?

 

ビッケ 僕はもともと海外が好き過ぎるんです。「日本は狭過ぎる」みたいなことをずっと思ってる人間なんですよ。妹がカナダに5年留学してたんですけど、「何で俺じゃないの? 絶対俺がするべき」と思ってたし、常に海外には行きたい。ただ、自分探しの旅をしたいわけじゃなくて、そこで勝負事をしたいから、自分の一番の武器は何だろうと思うと、それがたまたま音楽だっただけで、もし僕が剣道の達人だったら、剣道で世界に行っただろうし。なので、海外は昔から意識してましたね。

 

アニメ『ブラッククローバー』のタイアップで海外のリスナーが増えたことも、その気持ちを後押ししましたか?

 

ビッケ 海外のことはずっと馬鹿みたいにチームの人に言ってて、無理なのはわかってるけど、「早く上海とかでライブやろうよ!」みたいに昔から言ってたんです。「時間あるなら3か月オランダに住ませてくれ。その間も給料はくれ」みたいな(笑)。「アニメのタイアップをやったら海外の人が聴いてくれるから、何かとってくれ」というのも、メジャー一年目からずっと言ってて、「しょうがねえなあ」って感じでやってくれて、ちゃんと結果が出たから、「でしょ? じゃあ、これは上海行くしかない」みたいな感じ。で、一緒に行ったら俺よりチームのみんなの方が酒飲んで楽しんでるっていう(笑)。

 

あはははは。

 

ビッケ 「ビッケブランカは海外の仕事何でもやるから、とりあえず投げてくれ」ってずっと言ってたし、もともとそういう趣向なんです。自分でも今喋ってて再確認しました。

 

 

 

 

 

「自分の中でずっと眠ってたJ-POP魂が突然爆発した感じの曲ができました」

 

 

Vistäの将来的な活動に関しては、どんな展開を思い描いているのでしょうか?

 

ビッケ 成功するには、日本人であること、アジア人であることを隠さなきゃいけないと思っていて。それが唯一上手く行ってるのがSteve Aokiで、BTSですら、やっぱり「アジアのやつら」とは見られてるはず。アーミン・ヴァン・プーレン、ドン・ディアブロ、マーティン・ギャリックス、Vistä、ティエストでフェスをやるのを目標にしてるので、必要じゃない要素はできるだけ削ぎ落としたい。「アジア人だっていい音楽やるから」みたいなプライドは無駄っていうか、やるなら徹底的にやらないと、結果なんて出ないですから。

 

BTSがビルボードで一位を獲ったように、アジア人でも海外で聴かれやすい状況にはなってきてると思うんですね。

 

ビッケ でもやっぱり「アジア人」という見方はなくならないと思うし、「アジア人でも聴かれやすくなってる」という言葉自体、まだ混ざり切ってない証明だと思う。昔よりハードルが低くなってるとはいえ、そのハードル自体取っ払えるなら取っ払ちゃった方がいいわけで。

 

Vistäはもともとビッケさんのオンラインゲームのアカウント名だそうで、オンライゲームはまさに国や地域関係なく、みんなが同じ世界を楽しめるわけですよね。今は音楽も「デジタルリリース=グローバルリリース」なわけで、いい音楽であればどこで聴かれてもおかしくはない。Vistäはそこへのトライでもあるというか。

 

ビッケ 徐々にそうなってきてはいますよね。ただ、音楽はやっぱり言語の壁が大きい。ゲームは同じボタンを押せば全世界で同じ動きをしますから、より垣根がないと思うんです。それで言うと、韓国語で歌ってちゃんと評価されてるBTSはすごいなと思いますね。

 

まずは英語で曲を作って、いずれそこに日本語を入れて、少しずつ広げていけたらすごいことだなって。

 

ビッケ だいぶ先の話でしょうけどね。もしかしたら、先に韓国語を入れてるかもしれない(笑)。

 

「日本人だから日本語で」みたいにこだわる必要もないと。

 

ビッケ そんなことは考えるだけ無駄ですね。

 

そこまで徹底していたら、突き抜けたときの爆発力はすごそうだなと。

 

ビッケ ありがたいことに日本人は日本を出ると5歳若返るんですよ。そもそもオランダやアメリカには年齢を聞く文化がなくて、話が合えばそれでいいんですけど、見た目的に5歳若く見られることも使って、上手いこと立ち回れたらなって。

 

早く自由に海外に行けるようになるといいですよね。

 

ビッケ 海外に行けない一年を過ごしたせいで、逆に日本にもしっかり目が向いて、3月に「ポニーテイル」という新曲が出るんですけど、すごくよくて。自分の中でずっと眠っていたJ-POP魂が突然爆発した感じの曲ができました。

 

パブリックイメージとなっている派手な展開の曲ではなく、もっとシンプルな曲?

 

ビッケ 展開もめっちゃシンプルだし、言ってることもめっちゃシンプルで、すげえ素直。昔は「SMAPいいなあ」だったのが、その後に洋楽を知って、音楽を深めちゃったばっかりに、深めたなら深め切ったことをやらないとと思って、わけわかんない曲をいっぱい作ってきて(笑)。幸いにもそれを喜んでくれる人が一定数いたから、調子よくやれてますけど、それが披露できない時間に置かれたときに、これまでの扉から出てた水が止まり始めたんです。そのときに「あれ? 横にもう一個扉がある」みたいな、それを開けてみたら、J-POPの風がビューンって吹き込んできた。それで作ったのが「ポニーテイル」です。めっちゃいいんで、ぜひ聴いてください。

 

 

 

 

 

「ちゃんとメインストリームにいる意思を持ちつつ、その中で遊ぶって、音楽でも家具でもなんでもそうだけど、才能がある人じゃないとできないことだと思う」

 

 

 

ここからはCA4LAのディレクター・秋元信宏さんにも加わっていただいて、帽子について聞かせてください。帽子はビッケさんのトレードマークですが、いつ頃からかぶるようになったんですか?

 

 

ビッケ 元を辿れば、頭にギアをつける感覚は小学生の頃からあって、キムタクが「ミュージックステーション」に出てて、ロン毛でヘアバンド巻いてるのを見て、次の日僕もヘアバンドを巻いて学校行ったりして。そうやって頭と足を飾る感覚は昔からあった気がします。で、中高でRIP SLYMEが好きになって、キャップとかピタッとしたニット帽をかぶってたから、真似して日常的にかぶるようになって。そこからは当たり前に、靴と帽子で体に蓋をする、みたいな。上と下を塞がないと、溢れちゃうじゃないですか?

 

秋元 「引き締める」とかは言うけど、「蓋をする」という言い方はしないよね(笑)。

 

ビッケ 僕はエナジーフロウが循環するように蓋をしてる感覚なんですよね。

 

僕もその言い方は初めて聞きました(笑)。でも、「ミュージックステーション」だったり、RIP SLYMEだったり、やっぱりきっかけは音楽だったんですね。

 

ビッケ そうですね。ジャミロクワイがデビューしたての頃のインタビューで、「何でこんな原住民みたいな帽子をかぶってるんだ?」と聞かれて、社会風刺もあるけど、一番の理由は、「俺たちこれから売れちゃうから、街を歩きづらくなるじゃん? だから帽子をかぶって顔を隠してるんだ」と言ってて、かっこよくないですか?

 

かっこいい。さすがジェイ・ケイ。

 

ビッケ デビュー一年目の、18歳くらいの若造がそれを言ってて、実際そうなったわけで、それがすごく好きで。でも僕の場合は帽子をかぶらないと落ち着かないから、プライベートでも帽子をかぶってるんで、逆に帽子でばれちゃうんですけど(笑)。

 

今回はCA4LAとのコラボレーションでツアーグッズ用の帽子を作ったわけですが、もともとCA4LAのヘビーユーザーだったそうですね。

 

ビッケ 初めてCA4LAを知ったときは感動しました。まだ明治通りにあった頃のお店を見つけて以来、ずっとお世話になってます。

 

ビッケさんの思うCA4LAの魅力はどんな部分ですか?

 

ビッケ 何よりCA4LAのデザインが好きですね。僕がすごく好きだった「UZU」という帽子があって、ツバが片方短くて、片方長くなってるんですよ。パッと見はわからないんだけど、かぶったときに見え方が違って、立体感が出る。あれをかぶってた頃が一番モテたので、「渦」の力だったなって。

 

 

秋元 CA4LAのひねくれた部分に共感してくれて、ビッケくんの音楽性にも通じるじゃないですか? まともなままでは出さないというか、CA4LAにもそういうところがあって。

 

ビッケ 最近秋元さんが作ったキャップで、ツバがめっちゃ長いのがあって、それも奇抜になる直前の長さなんですよ。ネタ帽子になる直前の、スタイリッシュに収まるギリギリのラインで、それもすごく好き。ちゃんとメインストリームにいる意思を持ちつつ、その中で遊ぶって、音楽でも家具でもなんでもそうだけど、才能がある人じゃないとできないことだと思うんです。その感じがドンピシャですね……好きだなあ、CA4LA! 媚びてるわけじゃなくて、改めてじんわり感じる。好きだなあって。

 

 

 

 

 

「『気に入ったらかぶって』っていいですね。僕も『気に入ったら聴いて』って感じなので」

 

今回のコラボレーションについては、どのように進んでいったのでしょうか?

 

ビッケ 「何か一緒にやりましょう」というのはずっと言い続けてたんですよ。

 

 

海外の話と同じで、言い続けてやっと実現したと(笑)。

 

ビッケ そう、「そこまで言うならやるよ」と言わせたらこっちのもんですから、ようやくですよ。

 

ツアー自体が一年延期になってしまったので、それも含めて「ようやく」ですね。デザインもビッケさん中心に考えたそうで。

 

ビッケ もともとのバケットハットのかさを微妙に増してもらって、オリジナリティあるものにしてもらいました。あとは、『Devil』のツアーグッズなので、「Devil Contracted」と書いてあって、これをかぶってると「悪魔と契約済みの人」っていう。

 

 

秋元 これを前じゃなくて後ろに入れるっていうデザインも秀逸ですよね。

 

 

 

悪魔と契約してることは隠さないとですよね(笑)。フロント部分のプリントワッペンはアルバムのジャケットのイメージですか?

 

ビッケ そうです。ジャケットのときにいっぱい撮り貯めてたきれいな色の広がりを並べていて。このサイズとか発色も細かく話し合って、珠玉の帽子が完成しました。

 

秋元 ピンクっていうのもビッケくんらしいなって。

 

ビッケ いろんな服に合わせてかぶれる黒と、もう一色はアクセントになる色にしたくて、ヘビロテできるけど、でも没個性にならないものっていうところでこれに着地しました。非常にかわいい!

 

秋元 バケットハットは今流行ってるので、そこも逆によかったというか、突飛なことをやってたら、一年経っていろいろ見え方も変わってたと思うんです。でも、ビッケくんはオーソドックスな要素を取り入れるのも得意なので、バケットハットにフォーカスしたから、一年経っても全然色褪せてない。そこもよかったですね。

 

ピンクというカラーリングもそうですし、ビッケさんはレディースもお好きだとか?

 

ビッケ 小物とかになってくるんですけど、昔はレディースの一番大きいサイズのズボンとかトレーナーも着てました。メンズは無骨になって、曲線美がなくなっていくんですよね。財布とか特にそうで、フェミニンな方が好きですね。

 

秋元 うちの帽子はユニセックスが多いので、そこも相性がいいのかなって。

 

そこはCA4LAとしてのこだわりなんですか?

 

秋元 基本的にうちは男女も人種も何も設定してなくて、いろんな人にかぶってほしいと思ってるので、勝手にユニセックスになった感じですね。人を選ばないので、「気に入ったらかぶって」っていう。

 

ビッケ 「気に入ったらかぶって」っていいですね。僕も「気に入ったら聴いて」って感じなので。ファッションに限らずですけど、その分野で才能を発揮して、その分野で生きていくしか生きるすべがない人が世の中にはたくさんいて、僕はそういう人と関われることが幸せだと思うんです。帽子の魅力に没頭して、帽子のことを考え続けて、それをやらないと生きていけない人、生きていけないブランド。そういう人たちと何かを一緒にやれること自体嬉しくて、その賜物が今回の帽子なので、本当に楽しませてもらいました。

 

 

秋元 それはCA4LAとしても光栄というか、異業種との組み合わせが一番面白いんです。音楽的な観点と帽子を組み合わせるって、うちとしてもすごくやりがいがあるので、今後もぜひご一緒したいと思ってます。

 

ビッケ これは嬉しい。実はこの先を見越して、今回のハットには「No.1」「No.2」って名前をつけてるんですよ(笑)。

 

 


 

 

ビッケブランカ

2018年リリースのアルバム『wizard』収録曲「まっしろ」がドラマ挿入歌として大きな話題を呼び、iTunes総合アルバムチャートで2位を記録。楽曲「まっしろ」はUSENリクエストJ-POP HOT30、YouTubeMV急上昇ランキング、LINE MUSICリアルタイムランキングで共に1位を獲得。
翌年『Spotify』のTV CM曲に「Ca Va?」が起用され、同曲収録の3rdアルバム『Devil』を2020年3月に発表。iTunes J-POPチャートで1位を記録。
海外でも、アニメ『ブラッククローバー』シリーズで担当したオープニング曲がロングヒットを続け、Spotify月間リスナー数は120万人を突破。
音楽ストリーミングサービスにて全楽曲総再生回数は2億回超え。
最新作4th Single「ミラージュ」を8月19日に発表。(カンテレ・フジテレビ系火9ドラマ「竜の道 二つの顔の復讐者」のオープニングテーマ曲)
音楽業界を驀進する存在として、楽曲提供、ラジオDJ、広告モデル、eSportsストリーマーなど様々な分野に活躍の場を広げている。

HP | TWITTER | Instagram | Facebook

 


 

LIVE INFORMATION

2021.02.23 Devil Tour “Promised” [福岡・福岡国際会議場メインホール]

2021.03.13 Devil Tour “Promised” [愛知・日本特殊陶業市民会館ビレッジホール]

2021.03.18 Devil Tour “Promised” [大阪・オリックス劇場]

2021.03.20 Devil Tour “Promised” [北海道・道新ホール]

2021.03.28 Devil Tour “Promised” [東京・中野サンプラザホール]

 

 

*2/12(金)公開 最新MV『ポニーテイル』