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帽子の肖像 Profile.04 アーサー・ホーランド

帽子が本当に似合う人。それは格好良く年齢を重ねた大人かもしれない。 スタイルの変遷、年輪が醸し出すものが、帽子をかぶった肖像に現れる。 連載「帽子の肖像」では、2枚のポートレート写真、そして5つの共通質問に対する短い言葉から、帽子の達人たちの肖像を浮かび上がらせます。 第4回目は、バイクに跨がる“不良牧師”、アーサー・ホーランドさん。


 
 

5 QUESTIONS TO

アーサー・ホーランド

“棺桶に入った時も、 帽子をかぶっていてもいいんじゃないかな”

 
あなたが帽子をかぶり始めた時のことを教えてください。

幼稚園からカトリック系だったから、制服と一緒に帽子をかぶり始めた。僕は半分アメリカ人だし、特にアメリカに住んでいた頃は生活に帽子が溶け込んでいたね。日本に帰ってからもかぶっていたけど、僕も若かったし、スーツにハットを合わせるとまだキザに見られちゃう時代でした。今みたいにかぶるようになったのは40代半ばくらいから。僕が乗っている大型バイクはツアラー系なので、いろいろ荷物も載せられる。だからいつもハットも入れておいて、バイクを降りたらかぶるんだ。今日着ているライダースジャケット? これには60万キロ分の排気ガスと埃が染み付いているよ(笑)。

 

あなたが憧れる(憧れた)帽子をかぶる人とは?

最初はカウボーイだね。『拳銃無宿』のスティーブ・マックイーンとか、そういう格好いいウエスタン映画に帽子は付き物だった。ギャング映画でも必ず帽子をかぶっているし、昔の日本映画でもハリウッドの影響でみんな帽子をかぶっているよね。だから憧れでもあったし、「お洒落で粋な男は帽子をかぶる」というのは染み付いてきたところはあると思う。

 

あなたが帽子をかぶる時に気をつけていることを教えてください。

深くでも浅くでもなく、いまかぶっているくらいのバランスが好き。そういう自分の中での“良い加減”というのは人それぞれだけど、それは何回もかぶっているうちに身についてくるものなんだ。あと僕はツバをほんの少しだけ下にくねらせるんだけど、それって“攻撃的”というよりも、“シャープでありたい”ということを無意識的に帽子に求めているのかもしれない。そうやって自分自身を表現しているんだろうね。

 

今日かぶっている帽子について、教えてください。

これは最近CA4LAで買ったもの。僕はアメリカでも帽子を買うけど、ものづくりが結構アバウトなんだ(笑)。CA4LAは作りが丁寧で、ここに日本の文化の性格というか、日本人独特の感性があると思う。それが伝わってくるから大切にしたいと思わせてくれるし、何度もリペアをお願いしている。でも、リペアしている間にまた違う帽子を買っちゃう(笑)。「人間は慣れる存在だ」とドストエフスキーも言っているので、自分の殻を破るためにも新しいものにトライするんだけど、最終的には自分に馴染ませるタイプ。「帽子が格好いいんじゃなくて、自分が格好いいんだ」というアイデンティティは持っておかないとね。

 

あなたの人生にとって帽子とは?

“パート・オブ・ミー”だね。かぶっていないときはヌードの気分。このあいだイスラエルに行って気づいたんだけど、ユダヤ教で保守派の一部の人はシルクハットに似た帽子をかぶるでしょ。あれは「自分の頭上に神がいる」と思っていて、そういう普遍的な存在に対するリスペクトから来るもの。彼らは良い意味で神を愛し、恐れ、そしてジェントルマンとして世の中で生きていく上で帽子を身につけているんだろうなと思った。僕の場合はそういうことではなくて、単純に帽子ラブだし、帽子依存症(笑)。「アーサーと帽子はセット」と思っている人も多いから、棺桶に入った時も帽子をかぶっていてもいいかもね。

撮影:清水健吾
編集:武井幸久(HIGHVISION)
 

アーサー・ホーランド / Arthur Hollands

牧師 / 1951年、大阪生まれ。高校卒業後に渡米、23歳で洗礼を受け、牧師となる。1982年に帰国後は日本で伝道活動を開始。ユニークな説法と、タトゥーにライダースジャケットなども話題となり、“不良牧師”として認知を広め、モデルや俳優などでも活躍。1992年の日本列島十字架行進を皮切りに、国内外で十字架行進の活動も続けている。バイカーとしても知られ、いまも世界中を走り回る。

https://arthur-hollands.com