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帽子の肖像 Profile.10 リリー・フランキー

帽子が本当に似合う人。それは格好良く年齢を重ねた大人かもしれない。 スタイルの変遷、年輪が醸し出すものが、帽子をかぶった肖像に現れる。 連載「帽子の肖像」では、2枚のポートレート写真、そして5つの共通質問に対する短い言葉から、帽子の達人たちの肖像を浮かび上がらせます。 第10回目は、俳優のリリー・フランキーさん。数多くの帽子を所有するリリーさんが今回選んだ帽子に隠されたストーリーとは?

5 QUESTIONS TO

リリー・フランキー

“帽子って女の子にとっての下着みたいなもので、 自分に勇気を与えてくれるものじゃないですかね。”

 
あなたが帽子をかぶり始めた時のことを教えてください。

 

父親が帽子デザインの学校に通っていたりしたこともあって、帽子好きだったんですよ。だから僕の子供の頃の写真を見ると、常に帽子をかぶってる。野球部だったし、ずっと帽子が頭の上にありましたね。10代からはファッションの意識でかぶるようになって、今はハットだけでも100以上持ってます。買う時は一気に大量買い。でもそれだけの数になると、出かける時に自分が好きなものが選べないんですよ。だからいつも帽子置き場の上の方に置いてあるものをかぶることになる(笑)。

 

あなたが憧れる(憧れた)帽子をかぶる人とは?

 

俺よりも年上の人は、だいたい帽子かぶっている印象がありますよね。時には行きつけのバーのおじさんの帽子のかぶり方がカッコいいなと思ったりしたこともあるし、他にもそういう人はいますけど、有名人の中でいえば……高橋幸宏さんかな。YMOの時も一人だけキャスケットかぶっていたりしましたが、いつもちゃんと洋服に合わせて帽子を選んでいる方。この20年くらい一緒に遊んでもらっていますけど、俺と遊ぶ時でも帽子をかぶって来てくれるんですよ。

 

あなたが帽子をかぶる時に気をつけていることを教えてください。

 

TPOというか、その場所に合うかどうかは気にします。お気に入りの帽子をボロボロになるまでかぶり続けるのがカッコいいっていうのもあるかもしれないけど、それはこっち側(自分)のライフスタイルの問題なんですよね。当然ラーメン屋さんにかぶって行く帽子とレッドカーペットを歩くときのものは違うものでなくてはいけないわけで。ラーメン屋さんではクラウン低めのボーラーがいいかな。でもラビットファーの存在感がラーメンを拒絶しちゃうので、気をつけたり。まあ、人から見たら同じ帽子かぶっているようにしか見えないでしょうけど(笑)。

 

今日かぶっている帽子について、教えてください。

 

これはいつも映画祭に出るときにタキシードに合わせているイギリスの[Lock&Co.Hatters(ジェームス・ロック)]のボーラーで、日本はもちろん、スペイン、イタリア、フランス、中国など、世界中の映画祭でコイツと一緒でした。映画に出る時はあくまで役柄としての自分なので、帽子やメガネはしないことが多いけど、「リリー・フランキー」としてテレビに出たりする時って、どこかちょっと恥ずい。だからそういう時は、メガネと帽子で“自分の中でコスプレしている”感覚なんです。

 

あなたの人生にとって帽子とは?

 

女の子にとっての下着みたいなもので、自分に勇気を与えてくれるものじゃないですかね。どちらかというと外見より内面をサポートしてくれるもの。だから若いうちから色んな帽子をかぶったり、バイトしてお金貯めて[ボルサリーノ]を買ったりするのはいいと思います。ジイさんになって孫にあげたりしたらカッコいいでしょ。でもね、帽子って高けりゃいいってものでもないんですよ。作り手の想いみたいなものがあれば安くたっていいし。「これが自分にジャストだな」って帽子に出会えたら、それはラッキーなことだと思いますよ。

撮影:清水健吾
編集:武井幸久(HIGHVISION)

 

リリー・フランキー / Lily Franky

1963年生まれ。福岡県出身。武蔵野美術大学を卒業後、イラストやデザイン、文筆、音楽など多彩な分野で活動。小説『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』は大ヒットし、2006年本屋大賞を受賞。俳優としても活躍し、映画『ぐるりのこと。』(2008/ 橋口亮輔監督)でブルーリボン賞新人賞、『凶悪』(2013/ 白石和彌監督)と『そして父になる』(2013/ 是枝裕和監督)で第37回日本アカデミー賞優秀助演男優賞(『そして父になる』は最優秀助演男優賞)など多数受賞。第71回カンヌ国際映画祭では、主演を務めた『万引き家族』(2018/ 是枝裕和監督)がパルムドールを受賞。最新作は『その日、カレーライスができるまで』(2021 / 清水康彦監督)。