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帽子の肖像 Profile.28
鈴木慶一


帽子が本当に似合う人。それは格好良く年齢を重ねた大人かもしれない。
スタイルの変遷、年輪が醸し出すものが、帽子をかぶった肖像に現れる。
連載「帽子の肖像」では、2枚のポートレート写真、そして5つの共通質問に対する短い言葉から、帽子の達人たちの肖像を浮かび上がらせます。
今回はムーンライダーズの活動でも知られる、音楽家の鈴木慶一さんが登場。
鈴木さんが「歳を取ってから帽子がしっくり来るようになった」と語る理由とは。

 

5 QUESTIONS TO
鈴木慶一

“帽子はいろいろ選択の余地があるところが魅力なんですよ”

 

あなたが帽子をかぶり始めた時のことを教えてください。

自分が子供の頃は周りの大人がみんな帽子をかぶっていたので、よく家族から帽子を借りていましたよ。19歳くらいの頃に映画『イージー・ライダー』を観て、劇中でヒッピーの女性がかぶっていたポークパイハットがカッコいいなあと。それがファッションとして帽子を意識した最初かな。そのあたりから色んな帽子をかぶるようになったけど、若い頃はハンチングをかぶればスリ、ベースボールキャップをかぶると審判の人みたいに見えちゃって(笑)。やっと色んな帽子が自分の顔にしっくり来るようになったのは、50歳を過ぎてからですよ。

 

あなたが憧れる(憧れた)帽子をかぶる人とは?

『イージー・ライダー』でヒッピーの女性がかぶっていたハットは、いまだに一番格好良いと思いますね。デニス・ホッパーの帽子も好きだった。あの映画からは決定的な影響を受けて、通っていた予備校までドロップアウトしちゃったし(笑)。ミュージシャンではザ・バンドかな。ジャケットでもメンバー全員帽子をかぶっているけど、当時みんな20代なのに、爺さんみたいな雰囲気で格好いいんですよ。日本の音楽の先輩では遠藤賢司さんの帽子にも憧れました。当時こっちはまだ駆け出しだから、「どこの帽子ですか?」なんて聞けなかったね。

 

あなたが帽子をかぶる時に気をつけていることを教えてください。

気にしているのは角度かな。ハンチングの場合は少し上に上げて、ポークパイハットの時は少し目深にかぶったり。ステージで映像チームが入っているときは、少し顔が見えるようにツバを上げたりね。帽子は種類もバラバラでたぶん100個くらいは持っています。一番多いのはポークパイハット。歩いていて帽子屋があると、ついふらっと入っちゃう。CA4LAも随分前に渋谷でお茶していた時に見つけて、その日に2つくらい買いましたよ。(世田谷の)太子堂、高円寺、あとは中目黒。東京でも色んな街にお気に入りの帽子屋さんがあります。

 

今日かぶっている帽子について、教えてください。

これは1980年に初めて観光でロンドンに行った時に買ったもの。その時はベタにアビーロードとか、60年代の音楽聖地を訪れる旅でした。ロンドンの街を歩いていたら帽子屋さんがあって、一目惚れして買ったけど、当時はこれが「バブアー」のものだなんて分かっていなかった。フィッシング用のものなのかもしれないけど、少しカタチが面白くてね。時折かぶってはいたものの、やっと自分にしっくり来るようになったのは、買って20年くらい経ってから。考えてみればこの帽子、もう40年以上持っているんだよね

 

あなたの人生にとって帽子とは?

外に出るとき、服は絶対着なくちゃいけないものだし、靴も履かないと歩けないですよね。でも帽子って、かぶってもかぶらなくてもいいものなんですよ。「どちらでもいい」ものだから、出かける時にも迷うし、いざかぶると決めたら、どれにするかまた迷う。帽子は身体の一番上に来るものだから、服装の“トドメの一品”でもあるので、何を選ぶかは結構気を遣うものだよね。そうやって迷ったり、いろんな選択の余地があるのが自分にとっては魅力的なのかな。だからこそつい、いっぱい買ってしまうんですよ(笑)。  

撮影:清水健吾
編集:武井幸久(HIGHVISION)

鈴木慶一 /
Keiichi Suzuki

ミュージシャン / 音楽プロデューサー。1951年東京生まれ。1970年頃より音楽活動を開始し、あがた森魚、はっぴいえんど等のサポート、数多くの録音セッションに携わる。1971年に"はちみつぱい"を結成。解散後にムーンライダーズを結成し、1976年にアルバム『火の玉ボーイ』でデビュー。バンド活動の傍らCM音楽、アイドル、演歌などの楽曲提供とプロデュース、『Mother/Mother2』などのゲーム音楽に関わる。高橋幸宏とのユニットTHE BEATNIKSでの活動のほか、北野武監督の『座頭市』、『アウトレイジ』シリーズで日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。俳優として映画やドラマへの出演も多数。

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