Portrait of a Hat Profile.03 Keisuke Baba
帽子が本当に似合う人。それは格好良く年齢を重ねた大人かもしれない。 スタイルの変遷、年輪が醸し出すものが、帽子をかぶった肖像に現れる。 連載「帽子の肖像」では、2枚のポートレート写真、そして5つの共通質問に対する短い言葉から、帽子の達人たちの肖像を浮かび上がらせます。 第3回目は、日本を代表するスタイリストのひとり、馬場圭介さん。
5 QUESTIONS TO
馬場圭介
“髭と帽子って似合うじゃん。”
あなたが帽子をかぶり始めた時のことを教えてください。
そらあ小学校の時だな(笑)。大人になってからも帽子は好きだったけど、かぶったり外したりするのが面倒臭いからあんまりかぶっていなかったんだ。毎日のようにかぶるようになったのはこの10年くらい。きっかけはたぶんCA4LAで[ボルサリーノ]の帽子を買ったことのような気もするけど、どうしてその時ハットを買ったのかは忘れちゃったな。
あなたが憧れる(憧れた)帽子をかぶる人とは?
昔のフランス映画、ヌーベルバーグのジャン・ギャバンとかリノ・ヴァンチュラとか、あの辺だよね。80年代にロンドンにいた時はシルクハットとかを集めていて、今もいくつか持っているけど、イギリス人と日本人じゃアタマの形が違うから入らないんだよね。かぶるというよりも、乗っけている感じなんだよ、彼らは。
あなたが帽子をかぶる時に気をつけていることを教えてください。
サイズ感。オレは割と深めにかぶるのが好きだから、買う時も自分の好きな感じになるものしか買わない。オレ、服でも帽子でもそうだけど、気に入ったら毎日同じのばかりになるんだよね。だから帽子も“飽きるまでかぶる”。毎朝着るもの考えるのが面倒くさいというのもあるんだけどね(笑)。
今日かぶっている帽子について、教えてください。
これは自分のブランド、[NORMAN(ノルマン)]で作ったハット(2019AWモデル)。これは[RACAL(ラカル)]と一緒に作った。クラウンの高さとかツバの広さも自分好みにしたけど、ツバが広いから、風が吹くと大変なんだ(笑)。CA4LAとオレが一緒にやっているライン[Head Butt(ヘッドバッド)]も来年あたり復活させようかな。
あなたの人生にとって帽子とは?
そんな大したもんじゃないよ! あくまでも「お洒落のイチアイテム」。あと、髭と帽子って合うじゃん。
撮影:清水健吾
編集:武井幸久(HIGHVISION)
スタイリスト / 1958年、熊本生まれ。28歳の時にロンドンに渡り、スタイリストの大久保篤志氏に出会い、帰国後に東京でアシスタントして働き1年後に独立。英国やロンドンのスタイル、音楽カルチャーに詳しく、日本において英国ファッションスタイルを浸透させた一人。スタイリストとしてだけでなく、数々のブランドとの協業、デザインも手がけ、現在は自身のブランド[NORMAN(ノルマン)]のディレクションを行なっている。CA4LAとも不定期活動のコラボレーション・ハットライン[Head Butt(ヘッドバット)]がある。